PVC立体マスコットのディスペンス工程|色流れを防ぐ二次熱圧とサンプル確認
PVC立体マスコットや立体感のあるPVCフィギュアは、完成品だけを見ると「型に材料を流して終わり」に見えることがあります。しかし実際には、細かい色の境界、表面の透明感、厚み、柔らかさを安定させるために、分層ディスペンス、一次固化、底材注入、透明材、二次高温熱圧、冷却、脱型後検品までを順番に確認する必要があります。

PVC立体マスコットの基本工程
立体PVCマスコットの生産では、多頭ディスペンス機で金型内へ色材を入れ、第一層を固めてから第二層を重ね、底材と透明材を加えて二次高温熱圧を行います。この工程は、見た目をきれいにするだけでなく、量産時の色流れ、気泡、変形を抑えるための管理手順でもあります。

デザインデータは「色の順番」まで確認する
立体PVCでは、同じイラストでも色を入れる順番によって仕上がりが変わります。外形線、顔の細部、服や小物、背景色、底材、透明層をどの順番で入れるかを、仕様書とサンプルで確認しておきます。
- 色数、色境界、細線の再現限界を整理する
- 透明層をかける範囲と厚みの希望を決める
- 金型の分割線、脱型方向、表裏の厚みを確認する
- 顔、目、口など販売上の優先部位を先に決める
見積もり段階で「どこを最優先で再現するか」を決めておくと、サンプル修正が具体的になります。

点胶材料は流動性と固化条件をセットで見る
易固化タイプの点胶材料を使う場合、第一層を加固してから次の層へ進めることで、細部の色境界を安定させやすくなります。材料が柔らかすぎると隣の色へ流れ、硬すぎると細部へ入りにくくなるため、材料名だけでなく条件管理が重要です。
- 粘度、硬度、硬化方法、硬化時間を確認する
- 色材との相性、透明層との相性を見る
- 日本向け案件ではフタル酸エステル、RoHS、REACH、EN71などの条件も確認する
- サンプル時と量産時で材料ロットが変わる場合は再確認する

一度で盛らず、一次点胶と仮固化で色流れを防ぐ
細かい立体パーツでは、一度に厚く盛るより、第一層を入れて仮固化し、次に第二層を重ねるほうが安定します。第一層を固めてから第二層を重ねる工程管理が、色流れ防止の基本です。
- 第一層の色境界がつぶれていないか
- 第二層で前の色が押し出されていないか
- 厚みを増やした部分に気泡が出ていないか
- 同じ条件で複数個作っても差が出にくいか
サンプル1個だけでは判断しにくいため、数個並べて色境界と厚みを比較します。

底材と透明材は別の目的で管理する
底材は、製品の厚み、裏面の安定、形状保持に関わります。透明材は、表面のツヤ、立体感、保護感に関わります。どちらも追加で流す材料ですが、管理目的が違います。
底材で見る項目
厚み、硬度、裏面の平滑性、パーツ強度、金具との干渉。
透明材で見る項目
透明度、黄変、気泡、表面の波打ち、色への影響。
透明層が厚すぎるとデザインがぼやけることもあるため、サンプルで見た目と強度のバランスを確認します。

冷却・脱型後は「きれいに見える」だけで終わらせない
冷却して形が安定してから金型を開け、製品を取り出します。脱型直後は見た目が良くても、時間がたつと反りや白化、透明層の浮きが見えることがあります。
- 正面、側面、裏面、厚みを確認する
- 端の毛边、気泡、色境界、透明層の密着を見る
- 個包装後の擦れや色移りも確認する
- 承認サンプルと量産初回品を同じ光源で比較する

見積もり前に準備したい資料
立体PVCマスコットを見積もる前に、次の資料をそろえると、工場との確認が早くなります。資料が完全でなくても、参考画像、希望サイズ、数量があれば概算相談は可能です。
- 正面デザイン、可能であれば側面イメージ
- 仕上がりサイズ、厚み、柔らかさの希望
- 色数、透明層の有無、ツヤ感の希望
- 数量、SKU数、色違い、包装条件
- 日本向けの安全基準や検査条件
量産前チェックリスト
製造フローを、発注側が確認しやすい量産前チェック項目へ置き換えます。
| 確認項目 | 見るポイント | NG例 |
|---|---|---|
| デザイン分解 | 色の順番、透明層、底材の範囲 | 細線がつぶれる、色境界が不明確 |
| 材料条件 | 粘度、硬度、固化方法、環境基準 | 流れすぎる、硬すぎて細部に入らない |
| 一次固化 | 第一層を固めてから次工程へ進む | 第二層で前の色が押し出される |
| 透明材 | 透明度、気泡、黄変、表面ムラ | デザインがぼやける、気泡が残る |
| 熱圧条件 | 温度、時間、圧力、冷却時間 | 反り、変形、透明層の浮き |
| 脱型検品 | 側面、裏面、毛边、厚み | 正面だけOKで側面が粗い |
| 包装後確認 | 擦れ、色移り、台紙との干渉 | 個包装後に表面が傷つく |
関連するPVC OEMページ
製品形状や用途が近いページと合わせて確認すると、見積もり条件を整理しやすくなります。
立体PVCマスコットのサンプル確認からご相談ください
デザインデータ、サイズ、厚み、色数、透明層、数量、包装条件を共有いただければ、分層ディスペンスや二次熱圧の確認ポイントを整理して見積もりをご案内します。
