アクリルグッズ企画・調達担当者向け
中国製アクリルグッズの
輸入総コスト
工場単価だけでは見えない、金型・個装・国際輸送・関税・輸入消費税・通関・国内配送まで。比較可能な「日本納品時の着地原価」にそろえる実務ガイドです。
税率・HSコードは商品の仕様により変わります。申告前に通関業者へ確認してください。

着地原価は「商品代+輸入までの7費目」で比較する
企画時に見るべき総コストは、①商品・セットアップ、②付属品・個装・検品、③国際運賃、④保険、⑤関税、⑥輸入消費税、⑦通関・国内配送・その他実費です。DDPは費用責任をまとめる条件ですが、HS分類、輸入者名義、納税書類まで自動的に解決するわけではありません。
このガイドが役立つ企画担当者
海外生産の経験よりも、「誰が何を決め、どこまでを見積条件に入れるか」が重要です。社内稟議・相見積・発売計画に使える形で整理します。
IP・ライセンス企業
監修・権利表記・発売日を守りながら、複数SKUの原価を管理したい担当者。
アニメ・ゲーム制作会社
イベント物販、予約販売、周年企画で初めて海外生産を使う企画チーム。
グッズ企画・販売会社
アクスタ、キーホルダー、カードを横断して見積条件をそろえたいバイヤー。
くじ・プライズ運営会社
納品日と個装仕様を固定し、多品種を一括で管理したい運営担当者。
商社・OEM受託会社
顧客提示価格の根拠を整理し、中国工場と日本側費用を分けたい担当者。
輸入コストを確認したいアクリル品類
税番候補と輸送条件は「アクリル製」という呼び方だけでは決まりません。完成品の用途、付属金具、厚み、梱包後サイズまで、品類ごとに分けます。

アクリルスタンド
本体・台座・差し込み公差までを1セットとして見積。
アクリルキーホルダー
ナスカン、リング、保護フィルムまで確認。
アクリルチャーム
小型・複数連結・金具違いはSKUと組立費を分ける。
カード/プレート
厚み、角R、片面/両面、白版を固定。
ディスプレイ・什器
組立構造、外箱サイズ、破損対策を確認。
アクリル板・シート
素材・厚み・表面処理を確認し完成品と区別。
品類別:アクリルグッズOEM / アクリルスタンドOEM / ホログラムアクリルキーホルダー
相見積の前に固定する8つの仕様

サンプル確認は量産判断の基準点
入稿データだけでなく、実物を光にかざし、白版の位置、表裏の印刷、レーザーカット端面、穴径、金具の向きを確認します。承認したサンプルの写真と変更点を残しておくと、量産品の検品基準を共有しやすくなります。
- 白版とカラー版の位置
- 切断面・角・保護フィルム
- 寸法・厚み・穴径
- 台座・金具・組立方向
- 仕上がり寸法・厚み最大外形とパーツごとの厚み。台座や連結部も別記。
- 印刷・白版・表面片面/両面、白版範囲、表刷り/裏刷り、保護フィルム。
- 形状・加工カットライン、角R、穴径、差し込み公差、特殊加工。
- 付属品台座、ナスカン、リング、チェーン、色、組立。
- SKU・数量総数だけでなく柄別数量。均等割りかアソートか。
- 個装・表示OPP袋、背カード、JAN、注意表示、セット組み。
- 検品・許容差色差、傷、印刷ずれ、欠け、差し込み確認。
- 納品条件希望日、納品先、分納、パレット、入庫ラベル。
量産工程は「機械」より承認条件を見る
UV印刷では、量産前に承認した出力条件、白版データ、カットライン、面付け、SKUごとの投入順を確認します。量産日数は仕様、SKU数、材料、校正回数、工場負荷で変わるため、固定日数ではなく工程別の予定日で管理します。

EXW・FOB・DAP・DDPの費用責任
同じ商品単価でも貿易条件が違えば、見積に含まれる輸送・通関・税の範囲は変わります。条件名と指定地をセットで記載してください。

| 条件 | 考え方 | 企画側が確認すること |
|---|---|---|
| EXW | 工場渡し。集荷以降を買主側で手配。 | 中国国内集荷、輸出通関、積込費、国際輸送、日本側費用。 |
| FOB | 指定船積港で本船渡し。海上運賃以降は買主。 | 指定港、輸出費、海上運賃、保険、到着港費、国内配送。 |
| DAP | 指定地まで売主が運送。輸入通関・税は原則買主。 | 輸入者、通関業者、関税・輸入税、荷卸し、追加費用。 |
| DDP | 指定地までの輸入手続・税を売主負担とする条件。 | 輸入者名義、納税書類、除外費用、追加費用、納品地点。 |
DDP確認ポイント:売主がどの名義で輸入申告するか、輸入許可通知書を誰が保管するか、税・検査・保管・再配達の追加費用を誰が負担するかを明文化します。DDPだから自動的に輸送保険が付くとは限りません。
着地原価を概算する
工場から日本の指定倉庫までを同じ計算範囲にそろえると、FOB・DAP・DDPの見積を比較できます。数値は自由に変更できます。

PLAN ESTIMATE
商品代¥180,000
CIF概算¥245,000
関税概算¥9,555
輸入消費税概算¥25,456
日本納品時の総原価¥335,0111個あたり ¥335
企画概算式:商品代=単価×数量、CIF=商品代+国際運賃+保険、関税=CIF×税率、輸入消費税=(CIF+関税)×10%。実際の申告税額を保証するものではありません。
HSコード・関税・RCEPの確認順
2026年7月9日版の実行関税率表では、候補例として下表の税率が掲載されています。ただし品名だけで確定せず、材質・用途・構成を通関業者へ提示します。

| 候補 | 想定される例 | WTO | RCEP(中国) |
|---|---|---|---|
| 3926.40 | プラスチック製装飾品 | 4.8% | 3.0% |
| 3926.90 | その他のプラスチック製品 | 3.9% | 1.8% |
| 7117.19 | 卑金属製の模造身辺細貨類 | 3.7% | 2.3% |
| 7117.90-023 | プラスチック製の模造身辺細貨類 | 5.0% | 2.3% |
| 3920.51 | PMMA製の板・シート | 5.2% | 2.4% |
- 仕様書、材料構成、写真、用途、付属品をそろえる。
- 通関業者とHS候補、基本・WTO税率を確認する。
- RCEP利用時は原産地規則と必要書類を確認する。
- 量産仕様確定後、申告前に再確認する。
RCEP税率は原産地規則を満たし、必要な原産地証明・申告ができる場合の候補です。必要に応じて事前教示制度を利用してください。
納期・数量から輸送方法を選ぶ

国際宅配便
試作・少量・緊急補充向け。重量・容積が増えると単価が上がりやすい。
航空貨物
発売日に合わせた中量案件向け。空港費用と日本側配送まで含める。
海上LCL
余裕のある量産向け。港費、混載取扱、保管、ドレージを含める。
企画の実務ポイント:発売日から「量産完了日・集荷可能日・輸出日・日本到着・通関・倉庫入庫」に分けて逆算します。サンプル輸送と量産輸送は別条件で管理してください。
見積比較でそろえる12項目
チェックを入れながら、不明点を工場・フォワーダー・通関業者へ戻してください。含まない項目、追加費用条件、見積有効期限も確認します。
複数SKUとブラインド包装は工程を分ける
柄別の受入数、仕分けトレー、銀色の遮光袋、OPP袋、裏面JANラベル、ランダム封入、外箱表示を別々に確認します。SKU混入リスクと包装費を見積に含めるため、完成品数量だけでなく包装後の組み合わせ数を提示してください。
- SKU別数量と予備数
- ランダム封入ルール
- 裏面JAN・ロット表示
- 外箱別の入数とラベル

企画担当者から多い質問
DDPなら追加費用は一切ありませんか?
見積条件によります。輸入者名義、立替税の扱い、検査料、保管料、再配達費などの除外条件を確認してください。
アクリルグッズのHSコードはすべて同じですか?
同じではありません。用途、材質構成、装飾性、金具構成で候補が変わります。申告前に現物仕様で確認します。
RCEP税率は中国生産なら自動で使えますか?
自動ではありません。原産地規則を満たし、必要な原産地証明・申告を準備できることが前提です。
工場単価が安い見積を選べば総コストも安くなりますか?
必ずしもそうではありません。梱包後容積、国際運賃、組立、検品、通関、国内配送、不良対応まで同じ条件にそろえます。
企画のどの段階で輸入費を見積もるべきですか?
形状、厚み、付属品、個装、SKU数、数量、納品先、希望日が仮決定した時点で概算し、校了前と量産前に更新します。
確認に使う一次資料
- 税関 実行関税率表 第39類(2026年7月9日版)
- 税関 実行関税率表 第71類(2026年7月9日版)
- 税関 輸入品に対する関税・消費税等の計算方法
- 税関 非居住者が税関手続を行う場合
- 経済産業省 EPA利用手続
- ICC Incoterms® 2020 Checklist
最終更新:2026年9月9日。税率・制度は更新されるため、発注・輸入申告時点の一次資料をご確認ください。
仕様と納品先をそろえて、比較できる見積へ。
品類、SKU数、数量、個装、希望納期、納品先を共有いただければ、確認項目を整理します。
