価格を聞く前に、完成品の使われ方を一枚の仕様にする
アクリルカード・チケット風グッズのOEMは、サイズや厚みだけでなく、印刷面、白版範囲、角R、保護フィルム、個包装、SKU別数量を一つの仕様書にまとめて見積もるのが基本です。MOQと納期は総数・柄数・特殊加工・サンプル承認・包装条件で変わるため、量産前サンプルで色、見当、断面、反り、傷、包装まで確認します。
Specification Map
発注前に固定する6つの仕様
仕様は別々に決めるのではなく、完成品の使われ方からセットで整理します。厚みを変えると重量と包装が変わり、両面仕様や特殊加工を追加するとサンプル確認項目と工程が増えます。
Material & Size
透明カードの素材と厚みを、用途から決める
市場には透明アクリル、PETなどの透明シート、ラミネートカードが混在します。写真では似て見えても、硬さ、重量、透明感、反り、印刷方式、保管方法は同じではありません。「透明カード」だけで済ませず、素材名、厚み、用途、収納ケースの内寸まで伝えます。
硬質アクリルで見ること
- 厚みと重量、側面の透明感
- 断面・角R・反り
- 保護フィルムと擦れ
- ケースや台紙の内寸
薄い透明カードで見ること
- 素材名と実厚
- しなりと曲げへの耐性
- 全面印刷と表面処理
- 重ねたときの静電気・反り
持ち歩き用・展示用・封入特典のどれかを決める
ケースやファイルの内寸を測る
絵柄・管理番号・透明窓の必要面積を確認する
角R・穴・切り欠きと有効印刷範囲を確認する
OPP袋・台紙・外箱まで含めた完成寸法を出す

名称だけで決めず、実物のラメ色見本を確認する
同じ「ゴールド」「シルバー」「ピンク」でも、粒径、反射色、下地の透明度、背景色によって印象は変わります。以下のユーザー提供見本のように、候補色を同条件で並べ、実物サンプル番号まで見積仕様書へ残します。

60×180mm×3mmは企画例です。 業界共通の標準ではありません。長券型は重量、反り、材料取り、包装との組み合わせまで確認します。
Print Layers
「両面」の意味を、印刷面と白版レイヤーで指定する
透明アクリルでは、カラーだけを印刷すると淡色が背景の影響を受けます。白版は発色を支える下地ですが、透明感を残したい部分へ全面で入れると意図した透けが消えます。

| 指定 | 代表的な構成 | 向いている企画 | サンプルで見ること |
|---|---|---|---|
| 片面裏刷り | アクリル越しにカラー+白版を見る | 正面の光沢感を生かしたい | 反転、白版のはみ出し、背面保護 |
| 同一面への両面デザイン積層 | 表デザイン+白版+裏デザインを同じ面に重ねる | 表裏で絵柄を変えたい | 絵柄の干渉、透け、白版共通範囲 |
| 表裏2面印刷 | アクリルの両側に別々に印刷する | 奥行きや多層感を出したい | 見当、擦れ、触感、印刷面の保護 |
| 白版なし/部分白版 | 透明窓や半透明表現を残す | 背景を透かして撮影したい | 淡色の消え方、境界、実使用背景 |
発注書には「両面印刷」とだけ書かず、正面から見た完成図、裏面図、印刷面、レイヤー順、白版範囲を記載します。入稿レイヤーの作り方はアクリルグッズ入稿データ作成ガイドで確認できます。
グリッター封入型は、通常印刷とは別仕様として確認する
ラメが動くタイプや内部にグリッター層を持つタイプは、単板アクリルへの裏刷りと同じ条件では見積もれません。層数、空間の有無、接着・封止方法、総厚、重量、粒径、封入量、ラメが動くか固定されるかを仕様書へ追加します。

擦れ、曇り、保護方法
印刷面、白版、見当
粒径、密度、移動の有無
透け、干渉、読みやすさ
接着、封止、段差
5層は固定仕様ではなく、構造を確認するための一例です。 製法や材料によって層数と順序は変わるため、供給者の断面図、総厚、接着・封止条件、実物サンプルを優先します。
同じ絵柄でも、ラメ粒径・密度・封入量で見え方が変わる

色変化と反射は強い一方、人物や文字を隠す面積も確認します。
透明感と均一感を保ちやすいか、下絵の淡色が残るかを見ます。
背景の隠れ方、縁への偏り、厚み・重量への影響を確認します。
複数サンプルを重ね、縁色と透明感の差も見る
単体の正面写真だけでは、色付きの縁、ラメの偏り、裏面側の見え方を比較しにくい場合があります。複数色を同じ光源で重ねた実物写真も用意し、承認見本と量産品の比較基準にします。

Edge & Finish
加工名より、承認サンプルの断面・角・保護を基準にする
アクリルの切断・仕上げは、素材、厚み、形状、設備によってレーザー加工や切削などが選ばれます。「レーザーなら必ず透明」「金型なら必ず安い」と工法名だけで品質を判断せず、実際の量産前サンプルで確認します。

動画で確認できるのは「見え方の変化」であり、層構成そのものではない
手に持って傾ける短い動画は、正面写真だけでは分からない反射、透明感、ラメの移動、絵柄の読みやすさを比較する証拠になります。ただし、映像だけでホログラム板材、フィルム、封入層、オイルインなどの正確な製法までは特定できません。

接写と実物動画を、同じ承認記録に残す

- 同じサンプルを白背景と濃色背景の両方で撮影
- 正面・傾き・背面を連続して見せる短い動画
- ラメが動くか固定か、偏り・固まり・静電気の状態
- 封入型なら断面図、気泡、封止部、漏れの判定条件
MOQ & Cost
MOQとコストは「総数」と「SKU別数量」を分けて見る
小ロット相談が可能な供給者もありますが、MOQは一律ではありません。同じ総数でも、1柄で500個と10柄で各50個では、データ確認、印刷切り替え、仕分け、台紙、ラベルの作業量が異なります。
単価だけを比較すると、片面仕様と両面仕様、バルク納品とSKU別個包装が混ざります。同じ仕様書を複数社に提示し、含まれる工程と除外項目を揃えて比較します。
Sample Approval
納期は、サンプル承認日と輸送を分けて逆算する
納期は入稿日だけでなく、データ確認、試作、修正、承認、量産、検品、包装、輸送の連続です。「最短○日」ではなく、どの仕様がいつ承認されれば希望日に間に合うかを共有します。
見積開始
数量・SKU・仕様・納品先・希望日を固定
データ確定
完成図・白版・カット線・版番号を確認
サンプル承認
色・位置・断面・角R・包装を承認
量産・検品
限度見本・検査項目・数量記録を共有
出荷・納品
輸送・追跡・通関・休日リスクを確認
サンプル承認で見る7項目
- 外寸・厚み・角R・穴位置
- 正面と背面のデザイン方向
- カラーと白版の位置、透明部分の透け方
- カット断面、角、バリ、欠け、反り
- 印刷面の擦れ、密着、保護方法
- 保護フィルムを剥がした状態と剥がしやすさ
- OPP袋、台紙、ラベル、ケースへの収まり
修正指示には対象箇所、現状写真、希望状態、優先順位、版番号を付けます。色差の合意はアクリルグッズの色差対策も参照してください。
SKU & Packaging
包装と多SKU管理が、納品時の品質を左右する
透明アクリルは、完成後の擦れや指紋が見えやすい素材です。保護フィルムが付いたまま納品されるのか、工場で剥がして検品するのか、ユーザーが剥がすのかで検品方法と表示が変わります。

SKUコード・絵柄名・数量・予備数
台紙と本体の組み合わせ表
表裏方向と袋への挿入方向
ラベル位置と管理番号
ランダム封入時の混合方法と数量記録
内箱・外箱の入数、仕切り、重量、外装表示
表面の傷だけでなく、台紙違い、ラベル違い、SKU混入も納品不良です。製品検査とアッセンブリ検査を分け、必要に応じて全数確認か抜取確認か、誰がどの記録を残すかを合意します。
ブラインドパッケージは「中身を隠す」だけでなく、封入管理まで設計する
アクリルチケットは、遮光性のあるピロー袋や小型個装箱に入れ、什器兼用ディスプレイ箱で販売する設計も可能です。どの包装を選ぶ場合も、外から絵柄を判別できないことだけでなく、本体の擦れ防止、開封防止、シリーズ内のSKU数、封入比率、什器箱入数、混合・照合記録を同じ指示書にまとめます。
遮光ピロー袋/小型紙箱、内袋、台紙、封緘方法を指定します。
SKU数、封入比率、混合単位、照合記録、予備品を合意します。
1箱入数、配列、店頭での開口方法、輸送時の固定を確認します。
透け、触診での判別、擦れ、箱つぶれ、開封性、再封の痕跡を見ます。
「ブラインド包装」と「ランダム封入」は別の管理項目です。 包装が不透明でも、シリーズ内の数量比率や箱ごとの組み合わせは自動的に保証されません。量産指示と検査記録を分けて確認します。
通常ラインアップと特殊仕様は、箱別封入表を分けて管理する
通常款と、蓄光表現・動くラメなど工程が異なる特殊仕様を同じシリーズに入れる場合、SKU名だけでは管理できません。各仕様の構造、承認見本、封入対象、箱ごとの数量、予備品、照合方法を表にし、製造工程と包装工程へ同じ版番号で渡します。

形状と基本構造を揃え、絵柄ごとのSKU、数量、予備数を分けます。
蓄光表現、ホログラム、動くラメ等は別サンプルと別判定基準で承認します。
箱ごとのSKU数量、封入比率、配列、全種保証の有無を明記します。
製品ロット、包装ロット、残数、予備数、封緘確認をひもづけます。
「全○種」「1箱○包」は企画ごとの設定です。 全種類が1箱で揃う保証や特殊仕様の固定比率は、箱別封入表と検査方法を明示して合意した場合にだけ表示します。
Compliance & Supplier
安全要求は認証名からではなく、商品分類から決める
アクリルカードだから自動的にEN 71、ASTM F963、CPSIAのすべてが必要になるわけではありません。販売国、対象年齢、玩具としての意図、サイズ、角・小部品、材料・インク、包装・表示によって適用要求が変わります。
販売条件を先に共有
販売国・地域、販売チャネル、対象年齢、玩具/コレクション品としての位置づけを明確にします。
製品ロットにひもづける
材料構成、試験項目、報告書名、提出主体、ロット識別、表示原稿を確認します。
米国ではCPSCの玩具安全ガイダンス、EUでは欧州委員会の玩具安全情報を確認し、輸入者、ブランド側の品質・法務担当、必要に応じて試験所へ相談します。
工場選びは、作品例より「確認の仕組み」を見る
カード型・長券型の実物サンプルを確認できるか
材料、厚み、カット方法、印刷面を説明できるか
白版と両面印刷のレイヤー図を返せるか
サンプル承認後の量産基準を保存するか
断面、反り、位置、擦れ、混入の判定を相談できるか
SKU別包装と箱入れの記録を残せるか
NDA、アクセス範囲、データ廃棄を確認できるか
不具合時の再検査・補充・費用条件を書面化できるか
RFQ Checklist
見積もり依頼に添える情報チェックリスト
同じ粒度の情報を一度に渡すと、仕様違いの見積もり往復を減らせます。チェックはこのプレビュー内で操作できます。
未確定でも相談できます。
用途と優先順位が分かれば、確認順を整理できます。
FAQ
よくある質問
QアクリルカードとPETのクリアカードは同じですか?
同じではありません。どちらも透明カードとして販売されますが、素材、厚み、硬さ、重量、反り、印刷、断面、包装条件が異なります。見積もりでは素材名と厚みを明記し、実物サンプルで確認してください。
Q60×180mm×3mmはチケット風アクリルカードの標準ですか?
長券型の企画例の一つですが、業界共通の固定標準ではありません。ケースやファイルの内寸、デザイン、重量、反り、包装、材料取りを確認して案件ごとに決めます。
Q片面印刷と両面印刷はどちらがよいですか?
正面の光沢とシンプルな構成を重視するなら片面裏刷り、表裏で情報や絵柄を変えるなら両面デザインが候補です。同一面への積層か表裏2面印刷かを分け、サンプルで見え方と擦れを確認します。
Q白版は全面に入れたほうがきれいですか?
全面白版は発色を支えますが、透明窓や半透明表現は弱くなります。発色させたい部分と透かしたい部分を分け、全面・部分・なしをデザイン意図から選びます。
Qラメが動くタイプとホログラムアクリルは同じですか?
同じとは限りません。ラメを空間や液体層に封入するタイプ、ホログラムフィルムやホログラム板材を使うタイプ、表面加工で輝きを加えるタイプでは、構造、厚み、動き、封止、見え方、見積条件が異なります。商品名だけで判断せず、層構成図と実物サンプルを確認してください。
QMOQと納期の目安はありますか?
供給者と仕様により異なります。総数量だけでなく、SKU別数量、サイズ、厚み、印刷、特殊加工、包装、サンプル修正、検品、輸送条件を添えて確認してください。希望納品日から承認期限を逆算すると比較しやすくなります。
Q海外販売ではEN 71やASTM F963が必須ですか?
アクリルカードという商品名だけでは決まりません。販売国、対象年齢、玩具該当性、材料、形状、付属品、表示から適用要求を判断します。輸入者、品質・法務担当、必要に応じて試験所へ確認してください。
Q量産前サンプルでは何を確認しますか?
外寸、厚み、角R、正面・背面方向、色、白版、透明部分、印刷位置、断面、反り、傷、保護フィルム、包装、ケースへの収まりを確認し、写真と版番号を量産基準として残します。
Qブラインド包装では、何を見積条件に加えますか?
中身が見えない個装形態、1シリーズのSKU数、通常・シークレット等の封入比率、1什器箱あたりの入数、混合方法、照合記録、開封防止、台紙・袋・箱の印刷データを追加します。ランダム性や表示条件は販売国・販売方法に合わせ、ブランド側でも確認してください。
Q1什器箱で全種類が揃うようにできますか?
可否は案件ごとの封入設計によります。全種類が入る保証を付ける場合は、通常・特殊仕様のSKU区分、箱別数量、封入順、予備品、照合方法、表示文言を明示し、量産前に箱単位のサンプルで確認します。合意がない場合、入数やランダム封入だけで全種類が揃うとは扱いません。

